ようこそ『Jamnam』へ
2010/01/01 Fri
ひょんな事から始まったこのJamnam。
『KwS 2』の中だけの期間限定なコンビの予定が
ひょんな事から続いていく事になりました。
いつまで続くか解りませんが長く暖かい目でみてやって下さい。
よろしくお願い致します。
はじめての方は
『Jamnam』についてを一度お読み下さい。
・first story(nanaとhachiの物語)
2007/12/24~2008/1/7(『KwS 2』の中で掲載)
・second story(amiとhayamaの物語)
2008/1/19~2008/2/14
・third story
開始未定
・bellezza zanca(不定期更新)
uno-verso
2008/04/23 Wed
「ん・・・キスは嫌。」
顔を背け彼の唇を遮った。
キスをしてしまうと気持ちが揺らいでしまうかも知れないという
焦りにも似た感情で思わず言ってしまったが、
脚を大きく開き彼を受け入れているこの格好で
キスを拒否した事が逆に滑稽に思えて少し笑えた。
彼は苛立ちを隠そうともせずに腰の動きを速めた。
「ん・・ん・・・んはぁ・・・くぅっ。」
思わず声を出す事さえ躊躇ってしまい、
彼に不信感さえ与えてしまったんじゃないだろうかと思ってしまう。
私と彼の付き合いが始まってからもう何年になるだろう?
その間に周りはいろいろと変化して来たっていうのに
私達だけがその変化の中から放り出された様な感覚で
身体を重ねあって来た。
本当はお互いに変化の中に戻りたいのを
我慢しているだけなのかも知れない。
私の左手薬指の指輪だってそんな変化のひとつだ。
彼と会う時に指輪を外さなくなったのは何時からだろう。
彼がそれを指摘しなくなったのは何時からだろう・・・。
そんな事を思い出しながら、彼の腕の中で揺られている。
「ね・・・今日は中に出しても良いわよ。」
彼は驚いた顔でこっちを見た。
「本当に良いのか?
出した後でやっぱり駄目だったのなんて言うんじゃないだろうな?」
普段なら決して口にする事の無い言葉に
彼も戸惑いを隠せない感じが表情から見て取れた。
「良いって言ってるじゃない。
嫌なら別に良いのよ。
無理にして貰わなくたって私は全然良いんだから。」
嘘だ。
本当は身体の隅々で彼の全てを感じたかった。
彼の口から吐く息でさえも自分だけのものにしてしまいたいぐらいだ。
これが最後なのだから・・・・。
彼が私の中で果て、
凄く満足そうな彼の顔を見てると自然と笑みがこぼれそうになる。
すごく嬉しかった。
彼と結ばれる事は決して無い。
でもこうやって彼と繋がれる事は出来る。
この瞬間だけが私の中で幸せの頂点なのかも知れない。
でも、それももう終わってしまうのだけれど・・・。
私の決意が変わる事は無い。
彼が満足そうな表情で私の上に被さってきた。
すごく愛しい。
ずっとこのまま時間を気にせずこうしていられたらどんなに幸せなんだろう。
彼の背中にそっと腕を回した。
いつもと同じ光景、いつもと同じ仕草。
いつもと違うのは私の左手には彼がシャワーを浴びている間に
ベッドの下に隠しておいたナイフが握られているということだけ・・・。
彼を抱きしめる仕草の流れのまま、
彼の背中にナイフを突き立てた。
彼が眼を見開き私をじっと見ている。
彼の眼をまともに見る事が出来ない。
気付けばいつの間にか涙で彼の顔がぼやけていた。
「私達、やっぱり1つにはなれなかったね・・・。」
涙交じりの声で彼にそう言うのが精一杯だった。
最後の言葉は彼には聞こえただろうか?
彼の身体から力が抜けて、重たさだけが私の上に残っていた。
指輪は彼の血で赤く染まっていた。
彼の最後の抵抗なのかも知れないなと思うと少し悲しかった。
私は彼を横に降ろし、ベッドの上に身体を起こした。
彼の眼は見開いたまま、私を真っ直ぐに見つめていた。
彼の血は思ったよりも激しくは出ていなかった。
でももう彼の口から言葉が発せられる事は無い。
彼の血を指ですくい、自分の唇に塗ってそっと彼の唇に重ねた。
彼の眼を伏せる事をせず、煙草に火を付けてテラスに出た。
月明かりで照らされた私の身体が彼の上に影となって重なる。
煙草の煙だけが何事も無かったかの様に
ゆらゆらと揺れながら月に向かって昇っていた。
uno-recto
2008/04/22 Tue
「ん・・・キスは嫌。」
軽く拒否された事に少し苛立ちを覚えた。
だいたい「キスは嫌。」ってなんなんだよ?
その長くスラリと細く伸びた脚を大きく開いて、
その間に俺を受け入れてるというこの状態で・・・
何でキスを拒否するのか理解に苦しむ。
俺達がしている事へのささやかな抵抗か?
それともこのことを知る由もない旦那への背徳感なのだろうか?
いつもはこんな事は無かったのにと思うと、
普段なら感じる事などない軽い嫉妬を感じていた。
「何だよ?キス以上の状態なんだぜ俺達、今。」
軽く笑いながら湧き上がった嫉妬心を
感づかれないように腰の動きを速めた。
「ん・・ん・・・んはぁ・・・くぅっ。」
「何だよ。思いっきり声出せば良いじゃないかよ。
遠慮なんてしなくて良いんだぜ。」
必死で声を抑えようとしている彼女の姿を見ていると、
悪戯心みたいなものが湧き上がり、更に腰の動きを速めてしまう。
彼女はいつもそんなに声を出す方じゃ無い、
そのせいかいつもよりも更に声を抑える仕草に違和感を感じなかった。
「ね・・・今日は中に出して良いわよ。」
ふいに彼女が言った。
いつもは絶対にそんな事は言いっこない。
どちらかって言うと、避妊をしない事を責めるぐらいなのだ。
「ちゃんと付けてくれないと後々困る事になっても知らないわよ。
そうなったら私よりも貴方の方が困るでしょ?」
そういって強い眼差しで見つめてくると拒否出来ずに
おずおずと避妊を毎回しているのに。
今日に限って避妊を彼女は求めて来なかった。
忘れているだけかと思いあえてしなかったのだが、
ちゃんと彼女は解っていたって事だ。
その上で中に出してなんて言ってきたのだ。
「本当に良いのか?
出した後でやっぱり駄目だったのなんて言うんじゃないだろうな?」
「良いって言ってるじゃない。
嫌なら別に良いのよ、
無理にして貰わなくたって私は全然良いんだから。」
そう言われるともう戸惑うことは何も無い。
腰の動きが激しくなり彼女の中に思いっきり吐き出した。
「凄いね、まだビクンビクンいって出てるね。」
「解るの?」
「なんとなくだけどね」
身体の気持ち良さと心の気持ち良さとが重なって
抜く事すらせずに彼女の上に身体を重ねた。
彼女がそっと俺の背中に腕を回してくるのを感じていた。
またそんな彼女が愛しく感じてもいた。
・・・・・次の瞬間、背中に激痛が走った。
自分の後ろで何が起きたのか咄嗟に理解出来ない。
彼女の顔を見ると彼女は薄っすらと涙を浮かべていた。
「私達、やっぱり1つにはなれなかったね・・・。」
彼女の涙交じりの声でそう言うのが聞こえた。
・・・・・聞こえた気がしたと言うのが正しいのかもしれない。
全身から血の気が引いていくのが手に取る様に感じる。
眼の前が暗くなっていき意識が薄れて行く中で、
彼女の唇の赤さだけが異様な程ハッキリと感じ取れた・・・・・。
お詫びとお知らせ
2008/04/18 Fri
皆様お久し振りです。
second storyの終了から2ヶ月あまり、
全く更新もせずに放置状態にしてしまい
大変申し訳ございませんでした。
second storyの終了後、お互いに忙しくなってしまい
third storyに進むのかどうかの話合う時間すら持てずに
ここまで時間が経ってしまいました。
このままではいけないと思い、
続けるのかそれとももう終了してしまうのかを話合った結果、
もう少し続けて行こうという事になりました。
皆様にはリンク外して良いのかどうかもハッキリしないような感じで
ご迷惑をお掛けしましたが、
また時間の空いた際にでも訪問して頂ければ幸いです。
また再開にあたり、thrid storyと言う形で話を書いていきますが、
作者二人の時間があまりにも不規則になってしまいましたので、
期間限定と言う形は取らずに物語を進めて行きたいと思います。
それとは別に物語の間がかなり空く事が予想されますので、
別途『bellezza zanca』という枠を設けました。
こちらは時間のある時に1話または2話程度の
短い話を書いていこうと考えております。
今まで以上に不定期更新になるかとは思いますが
何卒よろしくお願い致します。
rescue(second story/hayama)
2008/02/14 Thu
誰だよ?
頭が割れる様に痛いって言うのに、揺するんじゃないよ・・・。
強烈な痛みと共に現実へと引き戻された。
「葉山、大丈夫か?」
次第にハッキリしてきた眼の前には見慣れた男の顔があった。
亜美の父親である三崎が申し訳無さそうに謝って来た。
「すまん。 お前まで危険に巻き込んでしまって・・・。」
「いや、まぁ・・・良いさ。」
痛みの引かない頭を擦りながら起き上がる。
「そういや彼女は?」
そう言ったのと同時に携帯が鳴った。
携帯に届いたメールには一言
『白い靴が降りた駅』とだけ書かれていた。
「どういう意味なんだ?」
そう言って首を傾げながら携帯を覗き込む三崎を横目に
頭をフル回転させた。
「『白い靴』・・・ね。 お前彼女が連れ去られた車って覚えてるか?」
「俺を誰だと思ってるんだよ? まだまだ現役の探偵様だぞ!」
「そうか。 じゃ行くか。」
立ち上がり納得の出来ない顔をしている三崎を促して歩きだした。
「おい、あの車だぜ。 間違いないよ。」
5つ前の駅に戻って改札を出て
すぐ側の倉庫前に停まっているセルシオを見て三崎は言った。
「本当なのか? いくらなんでもこんな近くにいるか?」
「いや、逆の発想だよ。
普通小説とかでは人気の無い埠頭とかになってるだろ?
現実にあれじゃ芸が無いだろ・・・
意外と街中だったりした方が見つかり難いもんなんだよ。」
「ふ〜ん、そんなもんかね。」
妙に納得されられた様な気もするが、
感心するのはちょっと癪に障ったのでそう答えておいた。
倉庫の中に入ってみると
後手に縛られた亜美と二人の男の姿が眼に入った。
「どっちにしてもこのまま帰すつもりもないし、
殺すには勿体無い女だぜ。
見れば見る程、良い身体してるしな・・・。
兄貴、やっちゃっても良いだろ?」
「一応人質だからな、程々にしとけよ。」
「やめろ!!!」
あれだけ作戦を練ろうと言ってたのに、
そんな会話が聞こえた瞬間に思わず飛び出してしまっていた。
ドラマや小説ならここで格好良く亜美を助けるんだろうが、
やはり現実は違う。
二人が取り出したナイフを見た瞬間に体が硬直してしまった。
所詮は素人探偵まがいでしかないのだと言う事を
痛烈に再認識されられてしまった。
「こっちに来るんだ!!!」
仕方無く、亜美の前に亜美を庇う様に立った。
「兄貴、コイツは殺っちゃっても良いだろ?
そうすりゃこの女もおとなしく言う事を聞くってもんだ。」
そう言うと男はナイフを私の腹に突き立てた。
「うぐっ!!!」
「おじさん!?」
意外にもナイフは私の腹の皮を裂いた程度にとどまっていた。
それでも思ったより血が出たので相手も薄笑いを浮かべてこっちを見た。
その時、奴等の後ろに積まれていた荷物が音を立てて崩れて来た。
私は必死で相手の腕を掴み力を込めて突き飛ばした。
奴等は崩れた荷物の下敷きになり、
また倉庫の中には静寂が戻った。
「あんまり無理してくれるんじゃないよ。」
なんて言いながら荷物の後から三崎が顔を出した。
「お父さん!!!」
「亜美!大丈夫だったか?」
普通ならここで感動の親子の抱擁なんだろうが・・・
バチーン!!!という音と共に
亜美の平手打ちが三崎の頬をクリーンヒットした。
ちょっと胸がスッとした。
「痛たたたたたた。」
思い出したら切られた腹が痛みだした。
「おじさん大丈夫なの?」
「あぁ、皮を軽く切られただけみたいだしな。」
三人で倉庫を出た時には夕日が沈もうとしている所だった。
三崎が警察に連絡をしている間、
私と亜美は顔を見合わせて笑った。
知り合って大した時間も経ってないのに
凄く長い時間を過ごしたみたいな感覚になっていた。
「じゃあ、私はそろそろ帰る事にするよ。」
そう言って亜美と三崎に別れを告げ駅に向かって歩こうとした。
「おじさんちょっと待ってよ!!!」
亜美はそう言うと走って近くのコンビニに駆け込んだ。
しばらくして戻って来た亜美は
「はい、これ。」
と言って私の手にチロルチョコを二つ落とした。
「今日はバレンタインだったでしょ。
助けてくれたお礼って言いたいトコなんだけどさ
財布を途中で落としたみたいでさ・・・・。」
バツの悪そうな亜美の顔を見てると笑いが込み上げて来た。
「ありがとう。」と言おうとして口を開こうとした瞬間に
亜美がキスをしてきた。
突然の事に驚いて眼を閉じる事すらしなかったが、
それよりも隣で三崎の驚いた顔が眼に入って来たのが
妙に可笑しかった。
「じゃあね。」
「じゃあな。」
二人と別れて駅に向かって歩きだした。
47歳になってしたキスは妙に初々しく、
妙に懐かしい感じがした。
亜美に貰ったチョコを口の中に放り込むと、
携帯を取り出し妻の番号を呼び出してコールボタンを押した。
「今からそっちに行っても良いかな?
話合いたいんだ。
それよりも・・・・お前の顔が見たくなったんだが・・・・行っても良いか?」
電話の向こうからは返事が無いが、
私には充分伝わって来た。
悪い事ばかりは続かないってのは本当だな・・・・。
−end−